Vol.10
イマドキ若手社員の育成のコツ(Z世代の特徴と傾向)
はじめに
最近の若者は反応が薄く何を考えているのか分からない…いつの間にか離職を考えていた…ハラスメントが怖くてどのように関わればいいか分からない…そんなお悩みをお客様から聞くことが増えてきました。働き方改革やワークライフバランスを重視する時代に移り変わってきた現在、Z世代と言われるイマドキ若手社員が自分らしく活き活きと成長するために、どのように関わればいいか。かれらの特徴と関わり方のヒントをご紹介します。
そもそも「Z世代」とは何か?
Z世代の語源・由来はアメリカから伝わってきた世代分類を指す言葉で、「ジェネレーションZ」からきています。1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代で、2024年現在12歳~28歳前後の年齢層に当たります。アメリカでは1960年代半ばから1970年代終盤に生まれた世代をX世代、1980年代から1990年代半ばに生まれた世代をY世代と定義していました。この流れを日本でもくみ、1990年代半ば以降に生まれた世代をZ世代と呼ぶようになりました。
「Z世代」の価値観と特徴
Z世代は、幼い頃からデジタルデバイスに囲まれて育ったため、タイムパフォーマンス(タイパ)重視の効率主義、ワークライフバランスの重視、多様性を重んじるなど、それ以前の世代と価値観や行動パターンが大きく異なると言われています。以下、代表的な特徴を3つ記載します。
- 1.パーソナライズされた世界で生活
インターネットやスマートフォンの普及によって、情報があふれている世の中に育ったZ世代は、自分が欲しい情報を自分で収集し、それぞれの趣味嗜好などに基づいたサービスや情報が提供されるパーソナライズされた世界で生活しています。得ている情報や見えている世界が一人ひとり違う世代のため、Z世代は一括りにできない世代と言われています。また、多様性を受け入れ、他者の個性を尊重しつつ、「自分らしさ」を大切にする世代でもあります。
- 2.情報得てから行動(答えが先)
先ず行動し、失敗を通して学習をしていたこれまでの世代と違い、行動をする前にSNSやYouTube等インターネットで「答え」をみつけて行動するのがZ世代の傾向です。それゆえ、自ら考え行動し、失敗した経験が少ない世代といえます。何かに挑戦して失敗するよりも、失敗を回避する傾向があります。
- 3.承認欲求が強い
SNSなどでの自ら配信した投稿に「いいね」の反応があることで、日常的に「承認」される経験が多いZ世代は、「承認欲求が強い」と言われています。一方で、SNSの影響から、ハイレベルで活躍する同世代を多く見てきており、知らず知らず自分と比較してしまうことで、自己肯定感が低い世代ともいわれています。だからこそ、他者から評価されたいとも考えています。ただ、自分だけ目立つことは嫌うため、大勢の人の前で褒められるのではなく、個別に褒められることを望んでいます。
Z世代との関わり方(育成法)
個人差があるため全てのZ世代に当てはまるものではありませんが、活き活きと働き成長してもらうためには、どのように関わればよいのでしょうか?上司・先輩としての関わり方のヒントをご紹介します。
- 1.個にフォーカスし、パーソナライズされた関わりが重要
一括りにできない世代だからこそ、個々の強みや改善点に焦点を当て、パーソナライズされた関わり方が求められます。一律の指導、教育プログラムではなく、それぞれの個性に合わせた学習機会の提供や、一人ひとりの能力や成長度合いに応じたトレーニングを設計することが効果的です。それぞれの「自分らしさ」が発揮できる組織・環境を作ることで、パフォーマンスの向上に繋がります。
- 2.答えを導き出す情報を明示する
答えを先に知りたがる傾向があるZ世代は、インターネットを活用して迅速に情報を収集し、その上で行動を決定することに慣れているため、自己学習能力が高い世代です。そのため、業務の目的や期待される効果を事前に明確に伝えることで目標がはっきりし、効果的に行動することができます。「自分で考えてやってみて」ではなく、答えを導き出す情報を伝えることで、かれらの能力を発揮することができるのです。また、必要な情報やツールへのアクセスを容易にすることで、主体的な学習を促進することができます。
- 3.こまめなフィードバックと称賛
SNSの「いいね」やフォロワー数など、他者からの承認を得ることに関心を持っているZ世代は、職場でも自身の行動を認められたいと望んでいます。そのため、こまめにフィードバックを行い、日ごろの行動や努力を認めてあげることが大切です。また、自己肯定感が低い傾向にあることから、小さな成果でも適切に称賛することで、モチベーションの向上に繋がります。
まとめ
Z世代が活き活きと成長するためには、目的やメリットを明確に伝える、こまめに適切なフィードバックをする、個々に合わせた対応・関わりが求められます。これらのアプローチを取り入れることで、Z世代のポテンシャルを最大限に引き出し、組織全体の成長と発展に繋げることができるでしょう。
執筆者プロフィール
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