name竹田 和憲講師
affiliation
ジョータツ株式会社
代表取締役社長
profile
岡山大学教育学部卒後、(株)リクルート組織活性化事業部にて幅広く教育研修事業に携わる。1990年(株)クリエアナブキに入社し、教育研修事業部、広島支店長、HRコンサルティング部長、営業戦略室室長などを歴任。その他にも、大学・企業向けの人材育成・講演活動にも従事。2013年5月にジョータツ株式会社を共同設立し、代表取締役社長に就任。高いプレゼンテーション能力には定評がある。
部下育成は管理職の要。上手に叱って、褒めれば、部下は大きく育つ。
管理職の業務改善能力と部下育成スキルの強化・向上
このテーマこそが私のライフワークであり、私のミッションだと感じています。組織を強くするための要は管理職であり、管理職がうまく機能すれば、若い人材もどんどん育ちます。まずは管理職自身が会社から求められる役割を十分に理解し、業務改善と向き合い、部下を優秀な人材に育てあげる力をつけることが何よりも大切なのです。
部下育成における重要ポイントは『上手に叱って、上手に褒める』ことです。しかしながら、「叱ると部下がやる気を失う」「叱り方を間違えるとパワハラになる」などの理由で、叱れない上司がとても増えています。
実は、叱るのも褒めるのも、順番さえ間違えなければ実にうまくいくのです。その順番はと言うと、「最初に事実を伝え、次に感情を伝える」となります。
例えば、仕事でミスをした部下がいるとします。「何をやっているんだ」など、とかく感情にまかせて怒りがちですが、まず最初に「ミスしたんだね」と”事実”を伝えます。その次に「上司として残念に思うよ」と感情を伝えます。この感情を伝える主語は自分でなければいけません。「だから○○君はダメなんだよ」と相手を主語にしてしまうと、部下を評価したり攻める言葉になってしまうからです。まずは事実を伝え、そのあとに自分の感情を伝える。そして最後に「次はどうすれば良いと思う?」と質問を投げかけるのです。この順番さえ身につければ、𠮟ることも怖くなくなります。
部下を育てるには時間がかかります。でも、管理職とは『部下を通じて成果を上げる』のが仕事。会社の継続的な発展は、管理職の手腕にかかっているのです。
この場でしか体験できないライブ感を大切に
私の研修は、グループワークを中心に展開します。この方法は、参加メンバーの構成によって結果が変わりますし、講師によるコントロールも不可能なためデメリットもありますが、それ以上に大きな成果を得ることができます。グループで話し合い、グループごとに発表の場を持ち、それに対して私から質問をする。この流れの中で参加者は、自らさまざまな気づきが起こり、今まで考えもしなかったこと、思いもよらなかったアイディアが湧き出してきます。これこそが、その場でしか体験できないライブ感あふれる研修です。スクール形式で講師の話を聞くだけなら、通信講座やeラーニングで十分です。参加者が研修室に集まり、同じ時間を共有しながらひとつのゴールを目ざすことで、当初のねらい以上の成果をあげることができるのです。
また、より効果的な研修にするために、研修の準備段階で参加予定者の方にできるだけ事前インタビューをさせてもらっています。現場の声を拝聴することで、組織風土や会社が取り組もうとしている課題など、さまざまな情報を得ることができます。研修の成果を高めるためにも事前情報は必要ですし、参加者にとっても、自分たちのことを少しでも知っている講師であれば距離感が縮まります。私にとって、この事前インタビューは、研修を成功させるための秘訣です。
新たに始めることを一つ。やめることを一つ。
研修後に具体的な行動を起こすことが大切
研修の成果は、その場限りで終わらせるのではなく、何か行動に移さなければ目に見えてきません。
私の研修では、どんな研修でも「スタート ストップ」という研修後に職場で実行することを約束してもらいます。新たに始めることを一つ。やめることを一つ。研修中に具体的な行動レベルで決意してもらい、それを職場に持ち帰っていただきます。それは、高尚な行動ではなく、例えば、週に1回は部下と話をするなど小さな行動で良いのです。いくら気持ちが変わっても人には見えません。具体的な行動を起こすことで、周りから「あの人は変わった」とわかるのです。それを参加した管理職全員がやれば、会社としては大きな変化となります。せっかく研修でよい気づきがあっても、何か行動に移さなければ何も変わらないのです。
社内研修における外部講師の役割
人材育成のための社内研修は、社外にアウトソーシングするのではなく、自社での内製化が本来望ましい姿です。ただ、外部の人間だからこそ言いやすいこともありますし、社員同士にはない緊張感をもって、組織に刺激を与える触媒にもなり得ます。私たち外部講師の役割は、社員教育の最初のきっかけ作り、そして社内教育担当者のフォロー役をしっかり努めることだと考えます。研修後のフォローアップなども、私たちのノウハウをうまく使うことで、研修の効果を最大化できることでしょう。
「研修を通じてお客様が継続的に発展し続けること」これが私の一番の願いです。そのために、お客様と二人三脚で人材育成のお手伝いをさせていただければと思っています。
研修において大切にしていること
私が研修において大切にしていることは、「参加者の視点で研修を運営すること」です。具体的には、(1)分かりやすさ:私自身の経験、いろんな事例やたとえ話を通して、参加者の皆さんにしっかりと腹落ちすること。(2)使いやすさ:研修で学んだことを研修で終わらせることなく、職場でしっかりと実践する(=使える)ために、参加者の皆さんにできるだけ具体的なやり方をお持ち帰りいただくこと。特にこの2点に気を付けています。