教育コラム

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 みなさま、こんにちは。有限会社NTXの野口です。今回から管理職に必要なスキル・心構えを解説します。最初は『職場の環境づくり』です。

■部下のモチベーションが上がるような環境をつくる

 どのような環境をつくるか?一言でいうと部下のモチベーションが上がるような環境です。いくら能力がある人が集まっていても、みんなのモチベーションが低ければ、組織として力を発揮することはできません。例えば会議ひとつにしてもモチベーションが低ければ当事者意識が希薄になり、部下から積極的な発言が出なかったり、仕事の改善提案も言えば出てくるが言わなければ出てこない、といった事が起こりえます。
 さらに働き方改革で、今後仕事時間はますます減っていく方向です。こうした状況で事業を発展させていくためには、部下にやる気をだしてもらい、仕事の効率を上げるしかありません。

■仕事に対して満足をもたらす要因と不満をもたらす要因は異なる

 モチベーションに関する有名な理論を提唱したF.ハーズバーグは次のように言います。
「仕事に対して満足をもたらす要因と不満をもたらす要因が異なる。つまり「やる気を上げること」と「やる気を下げること」は別の要因である」と。ハーズバーグは、前者を『動機づけ要因』、後者を『衛生要因』と呼びました。

 『動機付け要因』を与えることにより、満足感を高め、モチベーションを向上させることができる一方『衛生要因』に対して手を打つことにより、不満は解消されるが、そのことがモチベーションを高めるとは限りません

 『衛生要因』の代表的なものに報酬があります。わたしたちは生きていくために報酬を得る必要があります。十分な報酬がない場合には、当然不満がたまりモチベーションは上がりません。しかし報酬がある程度満足できるレベルに達すると、不満は解消されますが、ある一定以上にモチベーションは上がりません。報酬が上がれば、モチベーションも比例して上がり続けるだろうという考え方は、この理論に当てはめると“間違って”います。

 『動機付け要因』の代表的なものには、仕事の達成感があります。仕事をすることで感じられる喜び、大変だったけどやりきったという満足感、そうしたものを感じられるとモチベーションは上がります。

 『動機付け要因』は仕事そのものから得られる満足や達成感などで、『衛生要因』は、報酬や職場の人間関係(上司との関係など)、待遇など、仕事以外の環境になります。

二要因理論

■『動機付け要因』『衛生要因』のどちらに課題があるかを見極める

 私が、最初に入社した会社は、先輩に大変かわいがって頂き、職場の人間関係が良好な会社でした、報酬は決して多くはありませんでしたが、一人暮らしで生活していく上では十分なものでした。今ふりかえると『衛生要因』に問題はありませんでした。

 当時私が悩んでいたのは仕事そのものに面白さや、達成感を感じる事、つまり『動機付け要因』です。コンピューターの保守が主な業務で、仕事は決められた手順がマニュアル化されていて達成感を感じる事を難しく感じていました。何も起こらないことが当たり前なので、顧客から感謝される機会も少なく、当時の私はそこから仕事の喜びを発見し続けていく事に限界を感じ、3年後に転職をしました。

 また、管理職として転職したこともあります。転職先の会社は『衛生要因』にあきらかな問題がありました。一人一人の部下はスキルも高く、学ぶ意欲もありましたが、仕事以外の事に気を取られ、その事で疲れ、不満を持ち、仕事にも集中できていないように見えました。私は管理職として『衛生要因』の改善、特に待遇や職場内の人間関係の改善に取り組みました。
 取り組みが少しずつ効果をあらわし『衛生要因』が解消されていくに従って、部下から笑顔が増え、本来持っている力が発揮されるように感じ、何より部下と私の信頼関係が生まれました。

 個人的な意見ですが、『動機付け要因』つまり、仕事そのものから喜びや楽しさを発見していく事は、ある程度は自己責任だと思います。誰かに与えられるものではなく、人生の中で自分が探求し見つけていく事と感じます。ただ『衛生要因』は管理職が働きかけ整えていく事だと思います。管理職は、部下に比べると『衛生要因』を変えられる権限があるからです。
 まずは職場環境を見て、『動機付け要因』『衛生要因』のどちらに課題があるかを見極めるのが、職場の環境づくりの第一歩です。

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次回は部下の指導・育成について解説します。

執筆者プロフィール

野口 和裕(有限会社NTX/メイツ中国契約講師)
キャリアのスタートはシステムエンジニアとして一部上場企業や官庁で各種システムの設計に従事。平成16年能力開発研修を業務とする有限会社NTXを立ち上げ、代表取締役就任。現役のエンジニアとして現場感覚を伝える研修には定評がある。専門はチームワークを引き出し組織を活性化させる手法として、ファシリテーション、リーダーシップ、コーチング等の研修や、イノベーションを起こすダイアログ研修、学習する組織など。
Webサイト
http://www.ntx.co.jp/

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